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  • “たゆたえども沈まず”

  • 2020/04/16
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    ゴールド・シグネット3 ゴールド・シグネットリング2

    ご存知でしたか、このリングにデザインされた帆船の紋章。実はこれはパリ市の紋章です。セーヌ河が流れるパリはかつて水運の中心地で、船は水上商人、いわゆる船乗りたちのシンボルでした。リング下部に刻まれている“FLUCTUAT NEC MERGITUR”とはラテン語で「どんなに風が吹こうと揺れるだけで決して沈没はしない」、すなわち「たゆたえども沈まず」という意味です。16世紀以来用いられているこの言葉は戦乱や革命などの困難を乗り越え、やがてパリ市民たちの標語になりました。最近では2015年秋の同時多発テロの際、普段あまり他人事には干渉しないフランス人でさえこの言葉をスローガンに団結、心をひとつにしたといわれています。

    そしてこのシグネットリング。しっかりと重みがある18金のフランス製で、おそらく1940年から50年頃にかけてつくられたものと思われます。時に第二次世界大戦中から戦後、破壊されたパリの街で市民たちは改めてこの標語の意味合いを再認識したことでしょう。このリングにはそんな彼らの強いメッセージを込められているようです。

    シグネットリング、フランス語では“シュヴァリエ”(騎士)リングと呼ばれています。そういえば2017年に出版された原田マハさんの小説のタイトルも同名でした。

    今日、世界的な疫病コロナウイルスの流行。私たちもこの目に見えない敵 に負けることなく必ずや打ち勝ちましょう。