“ツーウェイ”のジュエリー
- 2020/04/26
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このダイアモンド・ブレスレット、パーツの一部を付け替えることでブローチに“コンバート(変身)”できる「ツーウェイ」ジュエリーです。様式としては1900年初頭のエドワーディアンスタイルですが、実は1938年のスウェーデン製とその刻印が証明しています。さらに“GD&Co.”とメーカーズマーク。でもこれは製作工房ではなくリティラーの刻印で、英国王室御用達ガラード商会のものでした。おそらくガラードが当時かなり高い技術を有していたスウェーデンの工房に依頼し誕生した作品と考えられます。かつてカルティエ・パリがアンリ・ピックやラヴァブル、ジョルジュ・レンファントといった名高い工房に自社のジュエリーの製作を依頼したように。
そしてこのブレスレット、イリジウム割のプラチナ素材とはいえ、精緻なパヴェやミルグレイン・セッティングと当時の卓越した技法が用いられています。本来ミルグレイン・セッティングはダイアモンドをより一層輝かせて“見せるため”に考案されたセット技法といわれていますが、今日ではその繊細なミル打ちに感服してしまいそうです。腕に着用した際によりフィットするようそれぞれが可動する部分にも注目です。ある日本の宝飾工房の職人さん曰く「今、こんな風に作れると思う?」と。
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